5年後の私は、どうなっていたい?未来の私を描く「ライフデザインワークショップ」の開催レポート③

自分の好きなことについて、どんどんイメージを膨らませる「マインドマップ」作りに熱中!

未来の自分を具体化する「ライフデザインワークショップ」。その前半では、3つのステップを通じて自分について振り返り、今の状態や仕事観・人生観、自分らしい特性を再確認する作業を行いました。

4つ目のステップでは、自分にとって意味のある重要なものについて、イメージを広げて描く、「マインドマップ」を作成します。

その方法は、直観を使った連想ゲームのようなもので、まず3つ目のステップで「グッドタイム日誌」に描いた項目から、直観的に目に飛び込んできた項目を、白紙の紙の中央に書きます。そして、その言葉から思いつくことをどんどん書きこんでいく作業を行います。

森先生は、例として「アウトドア」を中央に置いたマップを用意。そこから、キャンプ、ハイキングといった言葉を導き出し、さらに派生した言葉をどんどん書き足していく・・・という要領を教えてくださいました。

一つの言葉からイメージをどんどん連鎖させて、想像力を広げていくこの作業。これは、その人にとって価値のあることの世界を拡大して考えるサポートとなるのだとか。

参加者はこれ集中して取り組み、それぞれのマインドマップを作り上げていきました。

5年後の自分は、どうなっていたい? 夢のある3つのパターンをプランニング

さて、最後のステップは、いよいよ、具体的な未来に向けたプランの作成です。

これを「アドベンチャープラン」と呼び、これから人生の冒険の旅に出るイメージで作成をしていきます。

作成するプランは、3パターン。一つは今の自分の仕事や暮らしがそのまま順当に進んでいった場合です。2つ目は、今の自分が継続せずに変化を遂げた場合の未来を描きます。そして3つ目のパターンは、何も制約せず、こんな人生になっていたらいいなという、理想を描きます。

今日のワークショップの総仕上げとなるこの作業。自分の仕事観や人生観、適性など、これまでのステップを踏まえながら、未来に向けて、想像力を膨らませる楽しい作業に取り組みました。

出来上がったプランは、全員がその内容を発表します。

ボランティアで「朗読」をしている参加者は、活動をさらに広げていくために組織化を図る未来を計画。好きな活動をライフワークとして発展させる未来像を語ってくれました。

女性に生まれたからには、結婚して出産し、子育てを体験したいという参加者は、それを最優先した5年後の人生のプランを作成。子育てを通じて成長をし、人生が豊かになる未来像を描きました。

また、ある参加者は、この作業を通じて、子どもの頃になりたかった仕事があったことを思い出し、それを実現するプランを作成。そのほか、カフェを開きたい!という起業派の参加者は、具体的な場所や店のイメージまで詳細に説明。未来の自分の姿が具体的にイメージできたようでした。

全員が、それぞれ個性あふれるプランを持つことができた今回のワークショップ。未来の自分にさまざまな可能性があることを確認し、夢を膨らませる有意義な一日を過ごせたようでした。

5年後の私は、どうなっていたい?未来の私を描く「ライフデザインワークショップ」の開催レポート②

デザイナーのような発想を持ち、「人生をデザインしよう」。

未来像を描くサポートをする「ライフデザインワークショップ」。そのファシリテーターは、ミライカレッジと共同でプログラム開発を行っている森玲奈先生(帝京大学准教授)です。

まず、先生から、このプログラムを開発しはじめた経緯や、特徴が紹介されました。参加者に向けて提案されたのは、人生設計に「デザイン思考」を使うこと。これは、デザイナーが想像力をふくらませて設計し、試行錯誤をしながら実際のモノを形づくるのと同じように、自分の人生をデザインしていこうという考え方です。

もちろん人生は、必ずしも描いたように進むわけではありません。だからこそ新しい局面で考え行動できる力が大事になります。このワークショップは、やりたいことや生き方の可能性を広げ、その人らしい人生を自ら選び取っていく考え方のお手伝いをするプログラムです。未来像を描いて人生をデザインする楽しさを、皆様に提案していきます。

「今の自分」を知ることがライフデザインの第一歩。

森先生のファシリテーションのもと、いよいよ、プログラムが開始!

第1ステップは、「自分の現在地を知る」という作業です。そのために配られたのは、「仕事」「遊び」「愛」「健康」の4項目が記入されたシート。

それぞれがどの程度満たされているかを記入し、そう思った理由と合わせてお互いに紹介しあいます。

4項目とも100%という方はなかなかいらっしゃいません。皆さん、どこかに満足できていないところがあるものです。“仕事に満足はしているもののオーバーワーク気味なので75%程度”、求職活動中なので“仕事のスコアは低め” 、 “ペットを飼い始めてとても気持ちが満たされているので愛のスコアは100%”、“恋人と遠距離恋愛中なので愛のスコアが低い”など、様々な方がいらっしゃいました。参加者は、他人に語ることで自分の現状を見つめ直す作業を行いました。

「仕事観・人生観」も確認して、自分らしい生き方の方向性を確認。

自分は、仕事において、人生において、どの方向を目指すのか。ライフデザインを考えるためには、「自分のコンパス」を持つことが大事です。

そのために、第2ステップでは、参加者それぞれの仕事観と人生観を確認する作業を行いました。

参加者の皆さんには、あらかじめ書いてきた仕事観と人生観のメモをもとに、3~4人のグループの中で、順番に発表をしてもらいました。“仕事をすることで社会に役立つことができる”、“仕事は自分の能力を活かす場なのでもっと昇給して認められたい”という人がいる一方、“今まで仕事に熱中してきて満足感を持っているので、今後は少し仕事のペースを落として家庭生活も大事にしたい”というワークライフバランス重視派まで、さまざまな考えを聞くことができました。

参加者たちはみな初対面でしたが、話をする中ですっかり打ち解けた様子。相手の話に共感したり、“なぜ、そう思うのかもっと聞きたい!”と質問したり。それぞれ異なる仕事観・人生観に、大いに刺激を受けているようでした。

あなたが熱中することは何? 毎日の出来事を振り返ることで、自分の適性に気づこう!

第3ステップは、一人ひとりの特性を知る作業です。人それぞれ、どんなことが好きで、どんなことで心が満ちるかはさまざまですが、このステップでそれを確認します。

そこで、配れたのが「グッドタイム日誌」というシート。毎日の仕事や暮らしの中で起きた「熱中した!」と思える事を思い出し、4つをピックアップして記入してもらいました。たとえば、職場での大事な会議や、週末に楽しんでいる趣味など。そして、その時の熱中の度合いと、エネルギーの度合いを記入していってもらいました。

森先生は、このシートを書く目的について、“どういうときに自分のポテンシャルが発揮されているかを確認できる”と説明してくださいました。

また、“熱中していることでも、エネルギーが元気とは限らない。逆に疲れてしまうこともある”とも指摘。このシートを活用して、自分の特性を知るきっかけにしてほしいと話してくださいました。

自分について知る3つのステップを進めていった、このワークショップ。この後は、いよいよ未来を描く作業へ進みます!その内容については、次回の記事をご覧ください。

もっと自由に、楽しく学びたい!海外における女性のライフデザイン事情は?

人生100年時代と言われる昨今。日本では特に少子高齢化の課題を踏まえて、女性の社会的活躍の必要性が叫ばれるようになってきました。

現在働いている人もそうではない人も、これからの人生を長期的にとらえて、自分はどうしたいか・そのためにどうすべきかを考える「ライフデザイン」が一般的なものに。

そもそも、「人生100年時代」の潮流が起こるきっかけとなったのは、リンダ・グラットンのベストセラー本「ライフ・シフト」です。リンダ・グラットンは、ロンドン・ビジネススクールの教授であり、数々の著作を発表しています。
長い将来を見据えて、一人ひとりがライフデザインを考えていこうとする動きは、海外においても大きな流れになっているのでしょうか?

書籍から読み解く!海外ライフデザイン事情

ライフデザインについて、海外の人たちはどのようにとらえているのか、ベストセラー本からその傾向を探っていきましょう。

ライフデザインを考える先駆けとなったイギリスの「ライフ・シフト」では、人生100年時代を迎えるにあたって、3パターンのライフモデルが年代を経るごとにどうなっていくのかシミュレーションしています。この本からは、

「80歳の平均寿命を前提にすると、どのようなキャリアの人であっても、生涯同じ職場・同じ仕事に就いているということはあり得ない。常に先を見据えて、スキルアップのための勉強や自己投資は必要」

というメッセージが伝わってきます。

また、アメリカ・スタンフォード大学発「20歳のときに知っておきたかったこと」(原題:What I wish I Knew When I Was 20)は、同大学で起業家精神とイノベーションを教えるエグゼクティブ・ディレクターのティナ・シーリグの著作です。

ティナ・シーリングは本を通して読者に新しい視点を持つよう促し、困難をもチャンスに変えて、素晴らしいライフデザインを描いてほしいと記しています。

アメリカから世界的なベストセラーとなったシェリル・サンドバーグ著の「リーン・イン」。Facebook社COOでありフォーチュン誌「世界で最も有力な女性50人」、タイム誌「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた著者が、女性たちに向けて「リーダーになることをあきらめないで」とエールを送った1冊です。

現在の社会的地位になるまでの過程で、葛藤や困難を経験し、同時に女性として幸せな家庭を築いてきた著者ならではのアドバイスが綴られています。

こういった本から、海外でも人々が働く期間が長くなってきたこと、今後ますます女性の活躍が広がるであろうことがうかがえます。

海外ではライフデザインのワークショップが多数!

海外の女性たちは、本を読むだけではなく、ワークショップやコーチング、カウンセリングなど、より良いライフデザインを実行するための活動にも意欲的です。

一例をご紹介すると、スタンフォード大学の「Stanford Life Design Lab」では、学生向けに多数のワークショップやイベントを行っています。本やオンライン講座、ビデオでの学習も可能。在学中の大学生活はもちろん、将来的なライフデザインを自ら設計できるような学びを提供しています。

イリノイ大学リベラルアーツ&サイエンス学部でも、学生向けにライフデザインを学ぶ「The Life + Career Design Lab」があります。これは、学生たちが想像力を身に付け、各自の学習経験と人生を結びつけられるようになることを目的としたラボ。情報発信のほか、専門スタッフが学生の研究や留学、ライフプランニングの相談にのってくれるそう。

一般の人や企業向けに用意されたワークショップもあります。「FULL AEON」は、デザイン・瞑想・心理学の手法を用いて、目的達成のためのライフデザイン設計をサポートする組織です。一対一のコーチング、企業でのワークショップなどを行っています。

日本と比べると、海外では若いうちから個々人が自分の人生について考え、理想とするライフデザインを設計する動きがあるようです。そして、気軽に体験できるワークショップやイベントが多く開催されていることが分かります。

参考:
Stanford Life Design Lab
The Life + Career Design Lab
FULL AEON

「ライフ・シフト」のブームが海外から起こったように、欧米では日本よりもライフデザインに関する学びが身近なものになっているようです。

日本ではまだ、ライフデザインの学習機会やワークショップがそれほど日常的になっていませんが、興味関心を持っている人は多いはず。自分なりのライフデザインを築いていきたいですね。

5年後の私は、どうなっていたい?未来の私を描く「ライフデザインワークショップ」の開催レポート①

これからどんな暮らしをして、どんな仕事をしていきたいか。生き方について夢を広げて自分の未来の姿を描くのは、とても楽しいこと。皆さんも、こんなことをしたい!こんな場所で暮らしたい!など、自分らしく生きる未来の姿を、思い描くことがあるかと思います。

しかし、その未来への夢は、時とともに変わっていったり、イメージが漠然としていて方向が定まらず時間ばかり経ってしまったり・・・ということも多いのではないでしょうか。

自分の中に芽生えた未来への夢。それを大切に育てていくには、ステップを踏んだプランを持つことが必要です。さらに、そのプランが自分にとって本当にしたいことか、自分の能力や個性に合っているか・・・など、深く考えて客観的に分析してみることも大切です。

そこで、ミライカレッジは、未来像を描くサポートをする「ライフデザインワークショップ」を、2018年8月4日(土)に、都内で開催しました。

ミライカレッジが専門家とともに開発を進める、オリジナルの「ライフデザインプログラム」を通じて、参加者は未来の自分を具体化。

このワークショップに参加したのは、ミラカレクラブのメンバーを中心とする、20代から40代の首都圏在住の女性たち10名です。

ライフデザインに興味いっぱいの女性たちが、約3時間にわたって未来を思い描く時間を楽しみ、最後には5年後の自分に向けてのプランを作成しました。

今回のプラン作りで使用したプログラムは、ミライカレッジと帝京大学で生涯学習や成人の学びがご専門の森玲奈先生が共同で研究をして、開発に取り組んでいる「ライフデザインプロジェクト」です。森先生は、これまで多くのワークショッププログラムを開発されていることから、共同研究パートナーになっていただいております。

今回のプログラムを開発するにあたり、私たちが参考としているのはスタンフォード大学の人気講座である「ライフデザインプログラム」です。

その内容は、日本でも『ライフデザイン―スタンフォード式 最高の人生設計』(著者:ビル・バーネット、出版:早川書房)の中でも紹介されていますが、約6カ月にわたり自分の特性を見つめて未来を描いていくというものです。

アメリカで実績を持つこの方式に触発されながら、ミライカレッジでは、日本の暮らしや仕事の環境に合わせたプログラムの開発に取り組んでいます。

ライフデザインの習慣をもっと身近に! 気軽にトライでき、未来を描くことが楽しくなる短時間のプログラムをご提供。

今回、実施する「ライフデザインプログラム」の所要時間は、約3時間。多くの人にライフデザインに興味を持っていただき、気軽に参加していただけるように、コンパクトな内容となっています。

将来の自分を左右するライフデザインといえども、その内容は堅苦しくありません。用意されたシートを使い、直感的に思いつく言葉を書き込んだりするゲームのような方式を用意。想像力を膨らませ、遊ぶような感覚で進めていきます。

また、集まった仲間とともに人生観や仕事観を話しあって互いに刺激を受け合えることも特長で、参加することで視野が広がり、未来を考えることが楽しくなる! そんな体験を提供します。

その第1回目の開催となる今回のワークショップ。どんなふうに進めていったのか、詳しい内容については、次回の記事でご紹介します。

60歳からパソコンをはじめ、80代でアプリ開発に挑戦。若宮正子さんから学ぶ、人生100年時代の思考法

みなさん、若宮正子さんをご存知ですか?

80代でアプリ開発を行う女性として、海外メディアに取り上げられることも多い若宮正子さん。なかでも、アップル社 ティム・クックCEOとの対談は大きな注目を浴びました。

高校卒業から働いてきた銀行を60歳で退職した若宮さんに待ち受けていたのは、家族の介護でした。外でおしゃべりするのも出かけるのも大好きな若宮さんは、不安と寂しさでいっぱいだったそうです。なぜなら、介護を始めると、外に出るのも自分の時間を作ることも難しいと考えていたからでした。

若宮さんはある日、運命を変えたといっても過言ではない雑誌の記事に出会います。「パソコンを使えば外に出なくてもいろんな人とおしゃべりができる」と書いてあったそうです。「これだ!」と思った若宮さんは、当時高価だったパソコンを退職金で衝動買いし、外と繋がりを持ち始めました。そして、介護と好きなおしゃべりを両立させ、日々を充実させていったのです。

彼女の行動力と少しの勇気が、第二の人生を大きく変え、その後もエクセルアートやアプリ開発、あのTEDにも出演するなど、活躍の場を広げています。

人生100年時代に必要なことは

若宮正子さんのご活躍から「とりあえずやってみよう!」という意欲を持ち続けることが大切なのだとわかります。寿命が長くなり、人生100年時代と言われる昨今、定年を迎えても残り40年は、自由に過ごせます。

若宮正子さんのお話を聞くと、何かを始めるのに遅すぎることはないんだと思いませんか?「おもしろいものがあるとすぐ飛びついちゃう」という若宮正子さんの好奇心や考え方に、私たちも負けてはいられません。

人生をより豊かにするヒントをミライカレッジで

ミライカレッジでは、人生100年時代をどう生きるか…ヒントになるような活動を行っています。自分らしい人生を実現させるための講座やワークショップ、イベントなどを多数ご用意しています。

働き方もそう、暮らし方もそう。人生100年時代におけるライフデザインをどう描くか…一緒に考えてみませんか?

(画像出典元:60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。/若宮正子著/新潮社刊)